こんにちは、東谷です。
休日のリビング。
赤ちゃんの昼寝に合わせてお父さんもお母さんもついついお昼寝。。。
そんな幸せな時間。
まさに、安心・安全で健康な家だからこその風景のように思います。
さて前回は、「夏涼しく冬温かい家」のお話しでした。
ちょっと難しい話にもなりましたけど、「地震に強い家」同様、大切なことなんです。ただ、「熱」って、ほんと複雑でややこしいので、今の国の基準がすべて正しいとは限りません。あくまでも参考として考えてくださいね。家づくりで大切なのは、最終的にはすべて自分で決めることです。
本日は、「お部屋の空気がきれいな家」についてです。
このシリーズの最後になります。
③お部屋の空気がきれいな家
「お部屋の空気がきれいな家」は言い換えれば「住む人が健康に暮らせる家」と言えます。
今の日本では「地震に強い家」と「夏涼しく冬温かい家」をクリアすれば、比較的性能基準の高い住宅になります。「地震に強い家」と「夏涼しく冬温かい家」についても、住む人の安全・安心や健康についての考え方が含まれています。ただし、肝心の住み手がその住み方を間違えるとせっかく高スペックで素敵なお家が完成しても、家も人も病気になってしまう可能性があります。日本人的に言うところの「もったいないお家」になりかねません。そうならないために少しだけお話ししますね。
「住む」という暮らしの中には、人の健康に影響を与えるものがあります。
・カビやダニ、埃(ほこり)
・湿気(結露)
・揮発性有機化合物(VOC)
カビやダニは、皆さんもご存知ですね。高気密高断熱な住宅と結露のおかげ?で住みやすい環境になってしまっています。
次に埃。一口に「埃」と言っても、皆さん、「埃」って何かご存知ですか?ちなみにウィキペディアで「埃」を調べると、「繊維から出る糸屑(綿からでる綿埃(わたぼこり))、毛髪、ダニ、ダニの糞、カビの胞子、フケなどが空気中に浮遊している状態や床などの隅に集まっている状態である。」と出てきます。衣類などから出る綿埃(わたぼこり)やフケ、髪の毛だけではないことを知ってくださいね。
そして、揮発性有機化合物です。揮発性有機化合物とは、常温常圧で空気中に容易に揮発する有機化合物の総称で、英語の頭文字をとってVOCとも言われます。おもに接着剤や塗料等に使用されています。
ちょっと予備知識として。。。
揮発性有機化合物(VOC)は、その代表格であるホルムアルデヒドをはじめ、トルエンやキシレンなど現段階では、13種類が規制対象となっています。家具などの合板、新建材と呼ばれている建築の材料に使われています。具体的に言うと、家具では、カラーボックス(安くて簡単組立ての収納棚)や食器を収納する水屋(食器棚)、学習机やベッドなど多用されています。住宅の中では、床材(フローリング)やシステムキッチン、洗面化粧台、室内ドア、クローゼットドアなどいたるところに使われています。建築基準法ではシックハウス対策として、建材の揮発性有機化合物使用量を☆の数で表しています。☆の数が多いほど揮発する有機化合物の量が少なく「F☆☆☆☆(エフ・フォースター)」がもっとも安全な揮発量と言われています。ただし、揮発性有機化合物がゼロではないことをわかっておいてくださいね。
ここからが大切なところになります。
カビやダニ、埃などは喘息や鼻炎など呼吸器疾患の原因の一つと言われています。
揮発性有機化合物(VOC)は、シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因の一つです。
気を付けなければいけないのは、これらによる健康障害はすぐにその症状が出るものではありません。時間をかけてじっくりと体に蓄積していき、気付いた時にはすでに病気になっていることが多いものになります。特に、シックハウス症候群や化学物質過敏症は。
どうすればこれらの病気を予防できるのでしょうか。
本日は、問題!とは言いませんよ(笑)答えを言っちゃいます!
それは、温度と湿度と換気です。そして、日頃からの暮らし方の工夫です。
ここさえ理解していれば、家族全員が毎日を健康に暮らすことができます。
湿度の目安は、40~60%です。これ以上だとカビやダニが好む環境に、これ以下だとインフルエンザウィルスなどが好む環境になってしまいます。
温度については、冷暖房の設定温度にご注意ください。夏は24℃、冬は27℃など過度の温度設定は禁物です。適度な温度にしてください。湿度さえしっかりと管理しておけば、夏は28℃、冬は20℃でも十分快適に暮らせますので。
次に換気です。換気は時には湿度をコントロールするときにも役立ちます。あと、換気は埃とも関連します。埃と言えば、掃除ですが、掃除の時にも埃が舞わない配慮が必要になってきます。
理想の換気は自然換気(電気を使わない)です。
窓が複数ある場合は、2箇所開けて効率よく換気できます。
窓が一つしかなくても温度差による換気ができます。
電気を使う場合に有効なのは扇風機やサーキュレーターです。
いずれにせよ、換気で大切なのは、空気を入れ替えることだけでなく、部屋の隅々まで風を通すこと、すなわち淀みをなくした換気です。
暮らし方工夫の例としては、「洗濯物を畳む場所」「部屋干しの仕方」「掃除の仕方」「換気の仕方(部屋の中で淀みをつくらない工夫)」などが挙げられます。
まずは温湿度計を食卓に置いて、時々チェックしてみてください。くれぐれもあんまり神経質にならないようにしてください。ストレスを感じてしまっては何にもならないので。今は時計に温湿度計が付いているものもあります。よく目につくところに置いてください。そして、快適と思われる温湿度になるように色々と試してみてください。
「お部屋の空気がきれいな家」をまとめると・・・
・温度と湿度を管理する
・極力、揮発性有機化合物が使われていない家具や建材を使う
・換気(通気)は大事
・埃がたまらない生活の工夫
となります。
生まれてくるこどもは、家を選ぶことはできません。幼少期の室内空気環境は、とても大切です。だからこそ建てる大人(親)がこだわりとともに、お子様の将来まで見据えた家づくりを考えてほしいと思います。そして、呼吸器疾患やシックハウス症候群などの現代病とも言える病気にならないように、快適なお家で愛情をたっぷり注いでお子様を育てていただきたいと思います。
このシリーズの最終回でした。最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
あなたの家づくりの参考になれば、幸いです。
最後に少しだけ宣伝させてください(笑)参考までに聞いていただいて構いませんので。。。
私たちが建てている木造注文住宅は、通気断熱WB工法という通気工法を採用しています。この通気工法は電気を使わずに温度で感知するバネによって通気口を開閉させ、壁の中を通気し、室内の換気まで自然にしてくれます。温湿度の管理が楽になるシステムと言ってもよい通気工法です。
このシリーズのその5で書いた断熱性能で示すと、UA値は0.56程度、C値は2.0~5.0となります。C値に幅があるのは、夏と冬で通気口が開閉するからです。断熱性能を損なわない程度に通気を確保して室内空気環境まで整えてくれます。このC値の数値が高すぎると思うか否かはお客様次第ということになりますが。。。
私たちは断熱性能は高いほうが良いと考えていますが、気密性は高すぎるのもどうかなぁと考えています。確かにC値が低ければそれだけ気密性能が高く、断熱性能を存分に発揮してくれるのですが。。。建築基準法で定められている24時間換気についても疑問です。
総合して考えてると、通気断熱WB工法の通気工法を採用し、漆喰(室内の壁や天井)を使って建てる家が適度に通気を取りながら、温湿度管理も容易にでき、尚且つ、漆喰の効果で室内の空気環境を快適に保つことができる木の家が良いのではと考えています。
そして、壁の中を通気させる(空気が流れる)ことによって、構造躯体(土台・柱・梁など木の家で大切な部材)も蒸れ腐れを防ぎ、新築当初の耐震性能を保つことができます。
難しい言葉ばかりですみません。弊社には通気断熱工法で建てたモデルハウスがあります。築12年目を迎えておりますので、断熱性能は当時のものとなりますが、通気断熱工法の効果、漆喰の効果は体感いただけます。雨が多い梅雨の季節。カンカン照りの夏の昼すぎ、冬真っ只中の寒い日などは特にその効果が実感しやすいと思います。もしも、家づくりをはじめられるならば、参考にご体感いただければと思います。
家づくりをはじめた時に、もっと参考になること。それは、お友達や身内など身近に、最近新築で建てたお家があるならば、そのお家に行ってみることです。弊社モデルハウスとも違いますし、大手ハウスメーカーが集まる住宅展示場とも違います。そこには家族が暮らし、生活感にあふれています。泊まれるなら泊まってみてください。できれば、真夏や真冬に。とても参考になると思います。そして、家づくりの色々なエピソード(成功談や失敗談など)を聞くこともお忘れなく。
家づくり、特に新築は一生の中でそうあるものではありません。様々な角度から情報を集めて、自分で考え、自分や家族に置き換えて、今、そして今考えられる将来をしっかりと見据えた素敵なお家づくりを実現していただきたいと切に願います。
このシリーズのバックナンバーはこちら。
住まいについて考えてみよう(生まれ来るこどもたちのために-その2)
わかっているのになぜだろう…(生まれ来るこどもたちのために-その3)
夏涼しく冬温かい家とは(生まれ来るこどもたちのために-その5)
その他、関連ページ
⇒通気断熱WB工法(WB HOUSE)コンセプトムービー(YouTube)【4分程度】
⇒弊社モデルハウス紹介動画(YouTube)【2分程度】
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